荷物を運ぶ際に大活躍するのが紙製のダンボール。リーズナブルでリサイクルしやすく、小さく畳めて軽いといった数多くの特色があります。それに対し、昔ながらの木製や金属製そして100円ショップ等でも気軽に入手できるプラスチックといった他素材のケースも使用されることも多いです。
今回は特に、紙製のダンボールとプラスチック製のケースを徹底的に比較します。もちろんどちらも便利ではあるのですが、細かく見ていくと紙製ダンボールの方が優位に立つことも。実際の活用例も踏まえて見ていきましょう。
1.商品の形状に対応
1-1.形状が豊富な紙製ダンボール
1-2.紙製ならば仕切りも製造しやすい
1-3.余分な空間ができにくい
2.紙製ダンボールは意外と丈夫
2-1.商品に合わせた強度
2-2.押しつぶされない頑丈さ
3.リサイクルできるのは大切なこと
3-1.紙製ダンボールはリサイクルの優等生
3-2.ワンウェイなので衛生的
3-3.ダンボールは間伐材から作られる
3-4.二酸化炭素を増加させないカーボンニュートラル
4.保管場所が少なくて済む
5.外装に宣伝等をプリントしやすい
6.コスト面から見たダンボール
荷物を運ぶ際に大活躍するのが紙製のダンボール。リーズナブルでリサイクルしやすく、小さく畳めて軽いといった数多くの特色があります。それに対し、昔ながらの木製や金属製そして100円ショップ等でも気軽に入手できるプラスチックといった他素材のケースも使用されることも多いです。
今回は特に、紙製のダンボールとプラスチック製のケースを徹底的に比較します。もちろんどちらも便利ではあるのですが、細かく見ていくと紙製ダンボールの方が優位に立つことも。実際の活用例も踏まえて見ていきましょう。
紙製ダンボールの強みとして、商品の形状に合わせ製造できることが挙げられます。ダンボールもある程度のロット数が必要となりますが、それに以上にプラスチックケースを一からオリジナルで作るとなると、かなりの金額になってきます。もし、サイズが適していなければケースの中で商品が動いてしまい、破損につながってしまうのです。クッション材を入れれば解決するかもしれませんが、新聞紙等では見栄えが良くないですし衛生面も気になるところ。エアキャップ等を導入するとなれば、さらに費用がかさんでしまいます。
紙製ダンボールの形状は種類が豊富で、みかん箱タイプや上下差し込みタイプ、そしてヤッコ式タイプに組み立て式タイプなどがあります。どのような商品においても運搬・移動は不可欠ですから、各現場で活躍できる形状が求められるのです。プラスチックケースの場合、かぶせタイプはよく見かけるものの、使用者が組み立てるようなものは中々手に入りません。
先ほど商品を固定するためにクッション材を提案しましたが、ダンボールであれば同じく紙製で仕切りを製造できます。単純に十字で仕切りを作るとしても、互いをしっかり噛み合わせることで強固になりますし、筋入りパットといって、商品を収納してから三角形に折って固定でき自由度が高い形状もあります。破損しやすい食品などは、間に一枚ダンボール板を挟んで二階層にするといった工夫も可能。ところがプラスチックでは、予め寸法を決めて仕切りを製造するため、後から形状を変えることはできません。
商品のサイズによっては、上部に余分な空間ができてしまうことがあります。これでは運搬すべき箱・ケースが増えるだけで、余分な経費がかかってしまいます。ある程度まとまった個数を発送するのであれば、商品のサイズに合わせて空間ができないよう紙製ダンボールを用意しましょう。商品サイズが永続的に固定されるのであれば、専用のプラスチックケースの製造を注文しても構いませんが、商品というのは日々進化するため、サイズが不変とはいかないものなのです。
紙とプラスチックを比べれば、断然プラスチックの方が丈夫!と思われる方も多いでしょう。たしかに、水濡れに強く外部からの衝撃に対してはプラスチックが優れているかもしれません。しかし、紙製ダンボールは表ライナ・裏ライナの間に波形の中芯が挟んであり、3層構造になっているのです。これによって外部からの圧力を分散でき、収納した商品をしっかりと守ってくれます。
表面が傷つきやすいかどうかいった差はありますが、プラスチックの硬さはほぼ一定です。そのため商品によって、使用するプラスチックケースの硬さを変えるということはあまりしません。ですが、収納すべき商品が果物のような傷つきやすいものであれば頑丈でなくてはなりませんし、箱に入った軽めの玩具など既に包装されているものなら、それほど外部からの衝撃を心配しなくて良いのです。それならば、商品に合わせた強度に注目すべきです。
紙製のダンボールは、中芯の波型の密度や幅などによって種別分けされています(「フルート」と言います)。ギフト用の包装箱を触ると、厚さは薄いのに硬いということがあるでしょう。そういった違いが紙製のダンボールにはあるのです。
最近では各地で災害が発生しており、避難所が設けられることがあります。この時に活躍するのが紙製のダンボールベッド。複数のダンボールを組み合わせることにより、大人の体重をしっかりと支えられるベッドが作れます。このことからも紙製のダンボールは、想像以上に耐久性があって丈夫であるということがお分かりになるでしょう。
自然環境を守ることが求められる現代、海外では飲食店においてプラスチック製のストローの使用が禁止されたり日本でもスーパーのレジ袋が有料になったりするなど、プラスチックに対する規制の動きが見られます。もちろんこれは、木材が原料となる紙にも言えること。再生紙がオフィス等で使用されるようになって久しいです。では、紙製のダンボールはどうなのでしょうか。基本的にダンボールは一度切りの使い捨てですが、リサイクルシステムが確立されており、98パーセント以上が回収されリサイクルされています。
ダンボールは使用後もゴミにはなりません。油などで過度に汚れていたり、強いニオイが付いていないといった条件はありますが、使用済みのダンボールは新しいダンボールへと生まれ変わります。飲食店や電気メーカー、そして自治体や家庭から古紙回収業者がダンボールなどの紙を集め、それを製紙工場で新たな紙製ダンボールの素材へと加工します。このことからダンボールは「リサイクルの優等生」と呼ばれるようになりました。プラスチックもペットボトルの回収・リサイクルが行われていますが、それがプラスチックケースへ直結する訳ではありません。
商品をキレイなまま運ぶというのは大切なことです。特に食品においては必ず配慮しなければなりません。紙製のダンボールは基本的に一度切り使用のワンウェイなので、常に新しい箱へ商品を入れることができます。プラスチックケースは、コスト面から考えても使い捨てという訳にはいかず、何度も繰り返し使うことになります。一度使えば清掃しなければなりませんし、目に見えないような汚れが残ることもあります。クリーニングの手間を考えれば、衛生的にも紙製ダンボールが優れていると言えるでしょう。
紙製ダンボールを作るのに、新しく木を切るのは問題と考える人もいるでしょう。ところが一般的に紙の原料として使用されるのは間伐材です。山々の木を効率よく成長させるため、互いに日光を阻害しないよう木と木に一定の間隔をおかなければなりません。いわゆる間引きをしたものが間伐材なのです。元々、切らなければならない木ですから、自然破壊には当たりません。
前述のように紙製のダンボールは木材です。木は二酸化炭素を吸収して光合成を行うことから、使用後に燃やしたとしても大気中の二酸化炭素が新たに増えません。こういったものをカーボンニュートラルと呼んでいます。プラスチックの原料は石油ですから二酸化炭素を吸収していませんし、燃やせば二酸化炭素が増えることになります。あってはならないことですが、もし紙製ダンボールが放置された場合でも、いずれは土に還ります。ですが、プラスチックは自然に溶けて土へ還ることは決してないのです。
どの会社においても、倉庫の広さというのは限りがあります。商品を頻繁に発送するとなれば、ある程度の梱包材を確保しておかなければならないでしょう。ここで求められるのは、梱包材の保管場所が少なくて済むこと。プラスチックケースも畳めはしますが、それでも厚みはかなりあるでしょう。横に並べても幅を取りますし、上へ積み重ねていったのでは倒れてしまう危険性もあります。この点、紙製のダンボールは折り目に沿って簡単に畳めますし、薄くなりますので保管場所が狭くても問題ありません。
メーカーと、直接契約している飲食店といったルートでは、無地の紙製ダンボールが使われることもありますが、一般的なスーパーマーケットでは外装に商品名や宣伝等がプリントされているのを見かけます。オリジナルカラーで印刷することも可能であり、他の商品よりも目立たせることが可能です。ディスカウントストアでは、ダンボールのまま陳列棚に置かれることがあり、そういった意味では紙製ダンボールが宣伝ツールの一つになるのです。プラスチックケースは何度も使用するため、小売店からは回収されてしまいます。そのため商品名等がプリントされることもなく、宣伝の機会を失ってしまいます。
冒頭でオリジナルで製造する紙製ダンボール・プラスチックケースに言及しましたが、既成品であったとしてもやはり紙製ダンボールの方がリーズナブルです。もちろん何度も使用できるので、長い目で見ればプラスチックケースの方がコストパフォーマンスは良いかもしれませんが、保管や清掃といった手間を考えればすぐにリサイクルへ出せるダンボールの方が使用しやすいでしょう。
最後に注目したのは、やはり紙製ダンボールの軽さ。プラスチックケースとは比べるまでもありません。ダンボールでも両サイドに穴が開いていれば持ち手ができるため、簡単に運搬できます。毎日たくさんの商品を発送するなど運搬に携わる方々にとって、少しでも軽いということは大切なのです。これはプラスチックだけでなく、木製や金属製のケースと比べても紙製ダンボールの軽さは圧倒的でしょう。
ここまで紙製ダンボールとプラスチックケースを比較してきました。もちろんプラスチックケースも便利ではありますが、やはり商品の移動等では紙製のダンボールが大活躍します。現場では運搬ツールの一つとして、紙製ダンボールがとても重宝されているのです。