製造元もしくは仕入先からお店へ、そしてお店からお客様へと商品を運搬するにあたり、どうしても欠かせないのがダンボール。このダンボールのことを真剣に検討していく中で、商品の売り上げアップもしくはコストダウンにつながる場合があります。今回は、その具体的な方法を見ていきましょう。
1.売り上げアップを目指して
1-1.オリジナルダンボールの導入
1-2.業種に適したダンボール
1-3.商品のデザインに合わせる
1-4.カラー印刷で好印象
1-5.ダンボールが宣伝ツールに
2.コストダウンを図ろう
2-1.まとめて発注してお得
2-2.ダンボールの種類をまとめる
2-3.思い切って材質の変更
2-4.ダンボールの形状を見直す
2-5.仕切りの製造も任せる
2-6.オリジナルダンボールの価格
2-6-1.ロット数
2-6-2.納品場所
2-6-3.サイズ
2-6-4.印刷の有無
2-6-5.材質
2-6-6.形状
2-7.配送料金の削減につなげる
2-8.ダンボールの活用で広告費を削減
2-9.現状を把握し相談
まとめ
企業が良い商品を開発することで、お客様の購買意欲が高まるというのは売り上げアップの基本ですが、その商品を梱包するダンボールにも注目すべきです。安全にそして確実に運搬するには、商品に適したダンボールが必要なのです。
そこでオリジナルダンボールを導入してみてはいかがでしょうか。「普通のダンボールよりコストがかさむのでは…」とか「発注を失敗したらどうしよう…」といった不安が募るのは当然のことですが、オリジナルダンボールを作るにあたり、多くのダンボール会社では綿密に打ち合わせを行います。商品に適したサイズやパッケージ等にこだわることで、商品のを良さを引き出していくのです。
既成品のダンボールを導入するのは簡単です。しかし、「あと少しサイズが大きければ…」とか「もうひと工夫欲しい」といった要望があるかと思います。例えば、軽くて丈夫な素材を選びたいアパレル業のダンボールや、壊れずに効率よく積み込めることが求められる食品用のダンボールなど、業種に適したダンボールを発注することで、より多く商品を運べるようになります。それに伴って売り上げアップしていきます。
例えば商品を海外から輸入した際に、その商品とダンボールのパッケージデザインがイメージと大きく異なるというケースがあります。そのまま商品をお客様に発送したのでは、海外から商品を中継しただけという印象を与えてしまい、会社としてのイメージが損なわれます。
そこで、商品のカラーや形状等に適したデザインのオリジナルダンボールへ入れ替えることにより、商品に対してハクがつくことになります。手間ひまをかけた商品というのは、お客様にもその思いが伝わるものです。
特に目をひくのがカラー印刷。約40種類のカラーから選ぶことで、比較的商品に近い色合いを再現することが可能となります。また、各会社のブランドカラー・イメージカラーというものがあると思いますので、それに適した色合いに仕上げることもできます。
一般的にダンボールは白色または茶色というイメージが強いため、少しでも異なるカラーのオリジナルダンボールになりますと、人の記憶に残りやすいのです。お客様や取引先からも、細かいところまで工夫をしている会社と好印象を持たれ、売り上げアップにつながります。
ダンボールに商品のイメージ写真が掲載されていると、開封しなくても何が入っているのか一目瞭然です。量販店などでは、商品によってダンボール箱が山積みになっているケースもあり、その際に他商品よりも目立つことになります。つまり、ダンボール自体が宣伝ツールの一つになるのです。
特にライバル商品が多かったり形状が似通っている場合は、自社製品を強くアピールすることが必要です。会社の知名度を高めるロゴ等はもちろんのこと、これから商品を広く売り上げていくにあたり、お客様の心に届くダンボールデザインでなくてはなりません。
ダンボールはプラスチックケースなどと比べ折りたたみができるため、収納がしやすい梱包材です。ある程度の資材置き場スペースを確保している会社であれば、オリジナルダンボールをまとめて発注しておいた方がお得です。例えば、これまで必要になるたびに少量ずつ発注していたのを、一挙に1,000枚注文することで大幅にコストダウンできるケースがあります。
定番の商品であるため、デザイン等を変更することがないというのなら、まとめての発注を検討してみてはいかがでしょうか。ダンボールは商品の発送以外にも、社内で活用するなど使い道が色々とありますので無駄になってしまうことはありません。ダンボールの在庫が品切れになってしまう心配がないというのは有り難いものです。
商品のサイズに適したダンボールを用意するのは大切なことです。しかし大は小を兼ねるという言葉がある通り、新聞紙等の緩衝材を入れるといった工夫により、ダンボールの種類をまとめることができます。これまで20種類以上のダンボールを導入していた会社が5種類にまとめたことにより、管理が簡単になったという事例もあります。一つのサイズをまとめて発注することで、コストダウンも期待できます。
ダンボールは丈夫であることが必須です。しかし軽量の商品を運搬するのに、引っ越し用ダンボールのような頑丈さは求められていません。つまりダンボールの材質を変更することで、コストダウンを図れる可能性があります。底の部分にダンボールをもう1枚敷くといった工夫で丈夫さをカバーし、種類をまとめるというのも一つの手です。
ダンボールの形状を思い出してみてください。上開き(みかん箱式)の場合は上部において縦・横と重ねていくことになります。つまりこの部分が無駄になっていると考えれば、横開きのダンボールを採用するのもおすすめです。1枚2枚というのではあまり差がないかもしれませんが、1,000枚以上ともなればダンボールの材料費を節約でき、それが価格に反映されていきます。組み立て式が良いのか、かぶせタイプが良いのか、これはダンボール会社の専門スタッフと相談することによって、最適な形状を提案してもらえることでしょう。
効率よく商品をダンボール箱に収めていくには、仕切りが必要になる場合があります。これを一括して発注できるダンボール会社であれば、注文する際のコストを抑えられます。仕切りは型抜き加工をしたのちに、人の手で組み立てていくことになるため、その場合地域のシルバー人材センターへ委託していれば、組代も抑えることができ、全体的にリーズナブルな価格が実現できます。
ここで改めてオリジナルダンボールにおける価格について見ていきましょう。ダンボール会社によって異なりますが、オリジナルのダンボールをオーダーする際は「ロット数」「納品場所」「サイズ」「印刷の有無」「材質」「形状」によって決まります。
例えばこれまで100枚単位で注文していたのを、1,000枚へと増やした時に単価が3割ほど削減される場合があります。結果的に100枚を10回注文することになるのなら、思い切ってロット数を増やしましょう。
大きなトラックを保有しているダンボール会社であれば、場所によって無料で配送してくれるケースもあります。運送業者にダンボールの運搬を依頼するよりも、ダンボール会社保有のトラックで納品してもらった方が安くつく可能性が高いです。
サイズが大きくなれば、それに比例してコストも上がっていきます。まずは商品のサイズや性質等をよく調べ適切な長さを算出します。適切なサイズがよく分からないという時は、ダンボール会社のスタッフに相談しましょう。
黒や赤そして青といった1色だけでなく、2色ずりや印刷面積が大きくなる場合は、それに伴って料金がアップしていきますので、ダンボールのデザインをよく考えることが大切です。会社のロゴが必要か、商品のイメージを強調するのか、最も商品や会社をアピールできるデザインに仕上げましょう。
B・A・Wといった厚みや、C5・K5というライナー(表裏紙質)そして中心強度など、専門的な数値や用語が登場しますので、詳しくない場合は事前にダンボール会社へ問い合わせてみてください。材質によっても価格が変動していきます。
当然のことながら加工がしやすいものは安く、複雑になれば価格は高くなります。上下差し込みタイプやヤッコ式タイプなど、これまで想定していなかった形状も一つの候補にしてみてはいかがでしょうか。
最近テレビ等でもよく話題に上がっていますが、インターネット通販利用の増加で運送業者に大きな負担がかかっています。その結果、配送料金が徐々に値上げされているのが実情です。ご存知の通り、荷物の配送料金は縦・横・高さの合計で決まりますので、無駄にサイズが大きくならないよう気をつけなければなりません。ダンボールサイズに留意して送料の負担を減らし、お客様が商品を購入しやすくしていきましょう。
広告費・宣伝費というのは、商品を販売する上で大きな比重を占めます。そこでダンボールに商品情報等を印刷することで、広告効果を発揮させます。これにより広告費を削減していくことが可能です。前述のように量販店等で商品を販売する時は、積んであるダンボール箱が良い広告媒体になります。
何はともあれ、まずは現状をしっかりと把握することが大切です。お客様からの商品注文が続いていると、ダンボールの種類やサイズを切り替えるタイミングが難しいですが、長い目で見るとどこかで決断をしなくてはなりません。「ダンボールのコストが高すぎる…」とか「扱っているダンボールの種類が多すぎて困る…」というのであれば、ダンボール会社のスタッフに相談してください。保管スペースやダンボールの利用頻度などを踏まえて、専門的な見地からアドバイスをしてもらえることでしょう。
商品が主役とすれば、あくまでダンボールは脇役です。しかし脇役に気を配っておかなければ、商品の良さが活かせません。オリジナルダンボール等を導入することで、商品の売り上げアップそして全体的なコストダウンを図っていくことをおすすめします。