ダンボールは災害時にとても重要なアイテムとして活用できます。
こで今回は、防災アイテムとしてのダンボールについてフィーチャーして解説していきます。
東日本大震災より、避難所にダンボールベッドの導入が進められてきました。
なぜ、プラスチックでもビニールでもなく、ダンボール製のベッドだったのでしょうか。
1-1簡易ベッドがダンボール製である使用者側のメリット
@ダンボールは穴が開いていて空気が入るのでぬくもりがある
A余震やそばを通る足音による振動を伝えにくい
B近くの人のいびきなどの音も和らげる
C日中は椅子として利用できる
D仮設住宅に引越しする際には、引越しの用の箱として再利用可能
このようなメリットがあります。
特に避難所では、プライバシーがなくなって、ストレスが溜まりやすいです。
ダンボール製の簡易ベッドがあることによって、良質な睡眠が取れて、ストレスも緩和されます。
ダンボールはライナーと呼ばれる2枚の紙の間に、中芯という波状の紙が入っています。
そのため、2枚の紙の間に溝ができて、ここに空気が入り込んでぬくもり効果やクッションの作用が生まれるわけです。
ホームレスの方が路上で寝る際に、ダンボールを敷いているのをよく見かけます。
これは、こういったダンボールの特性を生かした活用です。
避難所で眠るときに何より大事なのが、断熱効果です。
冬場は、いくら掛け布団を重ねても、暖かくならないことがあります。
これは、背中から熱が逃げていってしまっているためです。
熱を保つには、掛け布団以上に敷き布団が重要です。
ダンボールを敷くことによって、断熱性が格段に向上します。
さらにダンボールを身体に巻きつけると、より断熱効果が上がります。
ダンボール製のベッドの場合、それを配給する自治体のほうにもメリットがあります。
1-2簡易ベッドがダンボール製である自治体側のメリット
@コストが安くて済む(他の材料の半分以下のコストで配給可能)
A壊れにくい(約9トンの加重にも耐えられる)
B短時間でたくさん作ることができる(1時間で1,000は作れる)
C発注会社も全国に3000社以上ある(業者がいなくて困る地域がない)
D処分が手軽にできる(再利用もしやすく経済的)
自治体も、普段から備えていなくても、短期間で充分な量のベッドを作成できるダンボールは防災の要として信頼できます。
そもそも備蓄のためのコストがかからないので、利用しやすい防災アイテムなわけです。
2-1災害時のトイレは深刻な問題
東日本大震災のとき、トイレの不足が非常に大きな問題となりました。
そこで多く活用されたのが、ダンボールで作った簡易トイレです。
自治体も、このダンボールトイレを採用していました。
この項目では、特にこの簡易的なダンボールトイレについて解説していきます。
災害時、トイレが使えなくなると、トイレ以外の場所で用を足さなければならなくなります。
そうなると、周辺一体に臭いが立ち込め、衛生面の問題で身体を壊してしまう人も出てきます。
できるだけトイレに行かないように、なるべく水分を摂らないようにするという状況も生まれます。
それはそれで、身体に非常に悪いことです。
2-2ダンボール簡易トイレの作り方
まず、人が座っても大丈夫な大きさのダンボールを用意します。
ダンボールのほかに、「ペットボトル」か「牛乳パック」、「ゴミ袋」、「レジ袋」、「ガムテープ」、「新聞紙」、「砂」を用意します。
ダンボールを組み立てて箱にしたら、そこに用を足す穴を空けます。
穴に、ゴミ袋をつけて箱のなかで広げておきます。
ダンボールの外側に、広げたゴミ袋の縁を出しておくようにしましょう。
ゴミ袋の上に、さらにレジ袋をセットします。
レジ袋のなかに、薄く砂を敷いておくようにします。
用をレジ袋の中に足したら、レジ袋ごと捨てるようにするわけです。
これだけで、悪臭や衛生面の問題から逃れることができます。
ダンボールを組み立てるときに、箱の4つの角にペットボトルを入れておきます。
すると、ダンボールの強度が増すので、より長く使うことができるようになります。
ペットボトルを入れるだけでは動いてしまうので、ガムテープを使って4つの角に留めてしまうのが良いです。
ペットボトルではなくて、4つの角に牛乳パックを入れることでも、補強することが可能です。
ペットボトルや牛乳パックには、水や砂を入れて重くしておくと、より高い強度を期待することができます。
3-1水場から水を運ぶのが面倒
災害があると、家の水道が止まってしまいます。
すると、給水車であったり、水場から水を運んでこなければならなくなります。
バケツを持っていく人が多いですが、1回で運ぶ量には限界があります。
それでなくても災害時は肉体的に疲弊しているのに、何度も水場まで行くのはそれだけで大きなストレスになります。
そんなとき便利なのが、防災アイテムとしてのダンボールです。
ダンボールを貯水タンクとして使用することで、バケツで何度も水場まで往復する面倒くさい手間を省くことができます。
3-2ダンボールの貯水タンクの作り方
材料は、大きめのダンボールと、それに合ったサイズのビニール袋があれば足ります。
ビニール袋は厚手のものを選んで、さらに2重にしておくのがポイントです。
水を入れたら、しっかりと口を閉めておきましょう。
さらに使いやすくするために、ダンボールの下に小さな穴を開けておきます。
その穴から、ビニール袋の角を少しだけ出します。
出したビニール袋の角を切ります。
そうすれば、蛇口のようになります。
ダンボールの穴の上に小さな切れ込みを入れておきましょう。
水を出さないときは、ビニール袋の蛇口ごとつまんで、その切れ込みに差し込んでおきます。
そうすれば、水を止めることができます。
このようにして、簡易的なダンボールの貯水タンクを作ることができます。
特に水が空気に触れないように、ビニール袋の口をしっかりと閉めておくことが大切です。
そして、ダンボールをやはりしっかりと閉めておきましょう。
このようにすれば、飲み水としても使うことができます。
運搬の際には、台車の上にそのまま載せるだけなので手軽です。
4-1避難所の床は硬く冷たい
避難所となる公民館や体育館は、床が硬くて冷たい所が多いです。
こういった所で長時間座っているのは、非常につらく、ストレスも溜まりやすくなります。
とりわけ冬場は冷え込むので、お尻から冷気が伝わって風邪を引きやすくなります。
災害時は体調を壊しやすいので、そこから重い症状につながってしまうこともあります。
高齢者の方は、体が冷えると関節が硬くなって立ち上がるのも億劫になります。
そこで重宝されるのが、ダンボールを使った簡易的な椅子です。
4-2ダンボールを使った簡易的な椅子の作り方
用意する材料は、ダンボールとガムテープだけです。
まずは、開いた状態のダンボールを用意します。
短いほうの蓋を、上下に切ります。
切った片方だけを折り込みます。
三角柱のようにして、他の蓋を閉じます。
最後にガムテープで固定します。
分かりやすい動画があるので、下記に掲載します。
・避難所での共同生活がストレスになる
災害の後は、失ったものが皆少なからずあります。
それがストレスになってしまうだけではなくて、避難所でのほかの人との慣れない共同生活が、よりいっそうのストレスになることもあります。
防災の場面では、しっかりとした睡眠や休憩の確保がとても大事になります。
災害後は、体力を消耗しやすく、精神的にも疲弊しやすいです。
ダンボールで作ったパーテーションを立てることで、他人の目が気にならなくなります。
これだけで、睡眠が改善されたという声も多いです。
パーテーションは、ダンボールとはさみ、ガムテープがあれば、簡単に作成可能です。
支援物資が入っている普通のダンボールでも、問題なくパーテーションに利用できます。
NHKのサイトに、簡単なダンボールのパーテーションの作成方法が動画で掲載されています。
作り方が知りたい人は、コチラを参考にしましょう。
・つくってまもろう(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/contents/bousai_tips/cont17.html
6-1避難所は寒いことが多い
避難所として使われる体育館などは、とにかく天井が高いです。
冬場は、暖房が使われます。
しかし、体育館のように天井が高い空間だと、暖かい空気が上に行ってしまって、床にいる人のところは寒いという状態になりやすいです。
寒くてなかなか寝付けないという人も多いのはそのためです。
6-2ダンボールハウスで暖かい家を
たとえば、ホームレスの方達は、ダンボールを使って組み合わせて、ダンボールハウスを作っています。
ダンボールハウスは、とにかく保温性と断熱性に優れたものです。
避難所のような冷えやすい空間では、まさにもってこいの存在だといえます。
前項で紹介した、ダンボールパーテーションの上にダンボールを載せるだけでも、簡単なダンボールハウスが完成します。
寝ているときはダンボールハウスとして使用して、起きたら屋根だけはずしてパーテーションとして利用するのも良い方法です。
屋外にダンボールハウスを建てることもできます。
実際に防水強化ダンボールを使って、雨にも耐えられるダンボールハウスを作った例もあります。
こういったダンボールハウスは、簡易的な診察室として使われることもあります。
防災時に感染症が出ると、病院の診察室が使えないこともあるわけです。
この場合に、ダンボールハウスを新たな診察室の代わりにします。
ダンボールハウスは、20分ほどで簡単に作れることも、大きな魅力です。
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